自分や家族が入院することになった時、
まず迷うのが「大部屋」にするか「個室」にするかだと思います。
・できることならば個室が良いけれど、費用が高い?
・ 大部屋で、他の人と一緒に過ごすのは不安…。
といったことで、悩まれる方も多いのではないでしょうか?
大部屋でも個室でも、受けられる医療に変わりはないです。
けれど、以下の点で、大部屋と個室には違いがあります。
- 費用
- 快適さやプライバシー
- トイレや洗面所
これらについて、大部屋と個室でどのように違うのか、実例をあげて紹介します!
大部屋と個室の費用の違い

まず、大部屋と個室の大きな違いは費用です。
一番気になるポイントだと思います。
大部屋に入院するときは、通常追加費用はかかりません。
個室に入院するときは、差額のベッド代がかかります。
個室は、どのくらいの費用がかかるのか、以下で詳しく説明します。
個室にかかる費用 部屋の差額ベッド代とは?
病院のいわゆる個室の病室は、「特別療養環境室」といわれています。
特別療養環境室とは、個室のように、患者さんのより良い療養環境に対するニーズに応え、入院環境を向上させ、選択することができるために、医療機関において用意された病床のことです。
【特別療養環境室とは】
- 病室の病床数は4床以下
- 病室の面積が広め
- 病床ごとプライバシーが確保できる設備がある
- 個人用の私物が収納できるもの、個人用の照明、小机・椅子
以上の様な設備が整っている病室のことです。
より良い環境の中、病院での入院生活を快適に過ごすことができます。
ただ、この特別療養環境室を利用する時は、追加料金の「差額ベッド代」がかかります。
【差額ベッド代】
- 病院が独自に規定した金額。そのため、病院によって金額が異なる 。
- 厚生労働省によると、1日当たりの「差額ベッド代」の平均は約6000円。
- すべて実費負担 ( 健康保険・高額医療費制度・医療費控除制度などは適用されない )

ちなみに、筆者の勤めてる病院は、4人部屋は差額ベッド代なし(大部屋扱い)
1人部屋の個室は、1日3000円、1か月(30日)90000円です。
差額ベッド代は、地方と都市部で差があったり、病院の規定により差があります。
差額ベッド代は、かなり高額になるので、知らないうちに請求されたらどうしよう?と心配になると思いますが、心配はありません。
差額ベッド代は、
- 分かりやすい掲示 (特別療養環境室のベッド数・場所・料金)
- 患者さん側への明確かつ懇切丁寧な説明
- 患者さん側の同意の確認
以上がなければ、病院は患者さんから徴収できないことになっています。
「治療上の必要」や「病院側の都合」により個室に移動になった場合は、通常支払わなくて良いものです!
*医療費の明細は、よく確認しましょうね!!
(引用:愛知県ホームページ 特別療養環境室に係る費用について)
大部屋と個室の快適さやプライバシーなどの違い
大部屋と個室の快適さやプライバシーなどの違いを詳しく紹介します。
大部屋のメリット・デメリット
大部屋のメリット
- 同室者がいるため、気がまぎれる。話し相手ができる。
- カーテンを閉めれば、プライバシーは確保できる。
- 転倒・転落や、嘔吐などで、自分でナースコールを押せない時、同室者が発見してナースコールを押してくれる場合がある。
大部屋のデメリット
- 同室者の声、物音、いびき、気配などで、落ち着かない・眠りにくいことがある。
- 大部屋が狭い場合、窮屈さを感じる。
- テレビを見る時は、イヤホンを使用する必要がある。
個室のメリット・デメリット
個室のメリット
- プライバシーが確保されやすく、他患者によるストレスを感じにくい。
- 静かに落ち着いて過ごすことができる。
- 面会者が来た時に、周囲を気にすることなく話をすることができる。
個室のデメリット
- 孤独感を感じやすくなる。
- 転倒・転落などをした場合、大部屋に比べ発見が遅れる場合がある。
トイレや洗面所の違い
大部屋のトイレや洗面所
大部屋を使用している場合、トイレは部屋の外にあることが多いです。そのため、トイレに行きたくなったら部屋の外まで移動する必要があります。
洗面所は、各部屋に備え付けられていますが、同室者と共用する場所になります。
個室のトイレや洗面所
個室には、トイレや洗面所が部屋内にある場合が多いです。
そのため、移動距離が短く、他の患者さんを気にする必要はありません。